2か月後に迫ったパリ五輪。佐藤選手にとって3度目となる特別な舞台でいま何を思い描いているのか聞いた。「今取り組んでいること」については「シンプルなスピード強化はもちろんしているし、昨年はレースペースは作り上げることができたが、体現率でいうと50%程度だと思っているのでそこをどれだけ100%に近づけられるかというのが一つの課題ですし、まだまだ記録の向上は見込めると思っている」と話した。そんな佐藤選手の練習を覗いてみると、この日はスタートから100メートルまでの加速部分の練習を行っていた。確認していたのは力感を抑えて歩幅の狭いストライドで加速していくこと。納得できた練習はこれまでたった2回しかないという。一方、中間型にしたことで新たに取り入れた練習も。大学時代から10年以上佐藤選手を指導する千葉佳裕監督は「200~300メートル区間に重点を置いて、200メートルまでは8~9割とちょっと力感を落とした速度で走って、200~300メートルで切り替えるトレーニングを去年の7月前から多く取り入れている」と話す。後半の失速を抑え記録更新につながった200メートルからの再加速の練習。カーブ付近から一気にスピードを上げる。そこにはどこまでも貪欲に走りを追求する姿があった。パリまで2か月、佐藤選手が置い続ける理想形の走りとは。