そして12月、2人揃っての里帰り。色々あった1年の最後の密着取材。活躍する妹に対し兄はひとつ心配なことがあるそうで、「パリオリンピックまでの道のりが妹にとって一番楽しかった時期だと思う。その中でも多少のプレッシャーはあるし、五輪代表に選ばれるかどうかとか、五輪で結果を残せるかという不安もあったかもしれないが、パリ五輪までの卓球人生がボーナスステージ。ここからは多分そんな時期は一生来ない。」と話す。兄は10代の圧倒的な強さ、脆さを知っている。数々の最年少記録を打ち立て、瞬く間に世界の第一線へ。しかしその後出る杭は打たれる、勝負の世界の厳しさを知った。世界中に警戒され研究され、追われる重圧と戦い続けなければならない。だから妹に伝えたかった。智和さんは「一生ほぼ苦しいことが付きまとうが、僕はいい意味でも悪い意味でも慣れた。パリ五輪で銀メダルを取ったらそれ以上の結果なんて金メダルしかない。世界卓球で金メダル取らない限りは超えられないし、そういう時期を少しは苦しむかも知れないが、じきに慣れると思うので、どんなことも初体験だと思って、パリ五輪までの道のりが当たり前だとは思わないでほしい。これからは苦しいほうが長いのを覚悟して頑張ってほしい。」などと話した。