フランスでは去年、議会下院選挙で与党が大敗して極右政党が大きく勢力を伸ばし首相が4人も代わるなど政治が混迷している。極右政党の創始者のルペン氏はナチスドイツのガス室について「歴史上ささいなこと」と述べるなどヨーロッパにおける極右政党の源流とも呼べる人物だった。ただ、フランス分断の象徴がいなくなっても政治は安定しそうにない。先月、首相に就任したバイル氏は左派と極右が反発している年金の受給年齢引き上げについて、見直しを検討すると表明。一方で、財政の健全化を重視する考えを強調した。このあいまいな発言に野党側は反発。早速、不信任案を提出した。まもなく議会下院で不信任案に関する投票が行われる予定。今回は、かろうじて否決される見通しだが、混乱は収まりそうにない。政治の混乱が続く背景には、日本同様、物価の伸びに賃金の上昇が追いついておらず、暮らしがよくなったという実感が湧かないことが背景にありそう。バイル首相のコメント。警察官に言及。