ヒアリ(外来生物)に刺されると死に至る恐れもあり、100種類以上いる「特定外来生物」の中で最も日本に広げてはならない生き物として“要緊急対処特定外来生物”に指定されている。ヒアリの駆除や定着を防ぐ為の実験を行う施設が日本で初めて設けられ、12日からヒアリの飼育が始まった。外来生物の研究等を行う国立研究開発法人「国立環境研究所」に運び込まれたのはヒアリ約1万匹。日本の環境で特徴を調べながら対策を探る。ヒアリの毒針に刺されると激しい痛みに襲われ、強いアレルギー症状を起こし、呼吸困難や意識障害によって死に至る事もあるという。日本では2017年に初めて確認され、2024年11月までに港のコンテナ置き場を中心に18都道府県で135例が確認されている。国内での定着は確認されていないが、定着した場合は生態系だけでなく、人の健康や経済活動への甚大な被害が懸念されている。ヒアリを“安全に”どう飼育?容器は3重構造、蓋には目の細かい金網が溶接されている等、逃げ出し防止対策が取られている。国立環境研究所は今後、この施設を活用してヒアリの防除に最適な薬剤の選定や開発、更に撮影した画像にヒアリがいるかを判断するAIの精度向上等を進めていく事にしている。環境省はヒアリや見慣れない蟻を見つけたら「ヒアリ相談ダイヤル」に連絡するよう呼び掛けている。