今回民主党党大会、ハリス氏は“中間層”“対トランプ氏”“国民の結束・団結”などといった言葉を多用した。また演説の冒頭では自身の生い立ちに関して言及し、中間層の多く住む街で移民の子どもとして生まれたなどと話し、自分は特別な人間ではなく普通のアメリカ人だということを強調。これは中間層に対して訴えかける意味があると考えられる。また自身とトランプ氏に関して「未来と過去」といった対比するような表現を使ったが、これは前向きな未来を自分は提示し、トランプ氏は国を後退させる存在だとアピール、印象付けようとしていると見える。また分断が進むアメリカにおいて、自分は全ての人のための大統領になると呼びかけた。現在世論調査では両氏の支持率は拮抗しており、党大会の盛り上がりも成功と言えるものになるかもしれない。ただ民主党は中道から左派まで政治的な主張の異なる人達が支持している。また民主党内部の不協和音噂されている。直近では多くの重鎮と呼ばれる人物が演説を行い、ハリス氏のもとでの結束を呼びかけた。現在世論調査で若干のリードをしているハリス氏、この勢いを維持するためには移民問題などの不満を払拭し、具体的な政策の提示が重要になる。一方対抗馬のトランプ氏はハリス氏に関してマイノリティであることで特別扱いを受けていると主張している。ただ個人攻撃は支持の拡大につながるかが判断しにくいところ。それよりも政策に言及したほうが良いだろうといった意見も聞かれている。今後本格化する選挙戦、直接対決となるTV討論会などが大きく情勢を動かす可能性もある。また激戦州と呼ばれる州ではトランプ氏がリードしている。短期決戦だが目が離せない選挙戦となる。