一方同じ東南アジアのベトナムはマレーシアとは異なるアプローチで半導体産業を成長のカギにしようとしている。ベトナムが力を入れるのは世界的に不足している半導体人材の育成で人口約1億・平均年齢30代前半の若い労働力に恵まれている強みを活かし政府は2030年までに5万人の半導体人材を育成を目指している。ベトナムIT大手が5月に開設した半導体人材育成機関は大学生や社会人が受講、2年間半導体の設計・製造過程を学び卒業後は国内外の就職先を紹介される。首都ハノイにはおととし韓国のサムスン電子が東南アジア最大の研究開発施設を設置、理系の難関大学から優秀な人材を多数採用するなど人材獲得競争が始まっている。ベトナムとしては人材をてこに海外投資を呼び込み先進国の技術を国内に取り込む狙いがあるとみられる。米中対立を追い風に存在感を高める東南アジアの半導体産業は目が離せない存在となる。