ツバルは2100年には首都の95%が満潮時に海に沈むと推定している。フナフティ島では建物や道路に激しい波が押し寄せた。アンジェラさんは地面から海水が湧き出し50センチほどの高さまで水に浸かったという。アンジェラさんは「ジャガイモを育てていましたけど海水が上がってきて枯れてしまいました」などと話した。またゴミなどが混ざっているため衛生面での不安が大きいという。ツバル気象当局は被害が出る地域が拡大し頻度も増えていると話す。国土の大半が海抜2メートル以下のツバルは対策に取り組んできた。海抜6メートルの埋立地が去年完成した。長さ800メートル・幅100メートルの土地には住宅・公共施設が建設予定。UNDPが主導し国際的な基金などから約60億円の支援を受けた一大プロジェクトとなっている。国土が失われる最悪のシナリオへの備えも始まっている。去年オーストラリアとの間で協定に署名し年間最大280人を移民として受け入れてもらうことで合意となった。さらにツバル政府が開発を進めているのがメタバース内での仮想国家。ツバルの大小124の島々を再現するプロジェクトでは島の様子を3Dモデルで保存するだけではなく文化・生活も移転させるとしている。仮想空間で行政サービスや選挙の投票などを行う構想もある。また憲法も改正され「将来国土を失っても国家として存続する」と定義し直した。ツバル政府は世界で気候変動対策への機運が薄れていると危機感を示し国の存続のためあらゆる方策を検討しているとした。