フランス議会下院選挙。事前の予測では、極右政党の国民連合が第1党になると見られていたが、決選投票の結果、3番手となり、最大勢力に躍り出たのは、左派連合だった。マクロン大統領の与党連合も含め、どの勢力も過半数には届かず、フランス政治は不透明感が強まっている。極右、国民連合に対抗するため、200以上の選挙区で、マクロン大統領の与党連合と左派連合が候補者を一本化した選挙協力の成果が出た形。アタル首相は8日午前にも辞表を提出すると見られるが「必要なかぎり職務を果たす」とも述べている。一方、最大勢力となった左派連合のメランション氏は「マクロン大統領には左派連合に組閣を要し得する義務がある」とコメント。今後、さまざまな駆け引きが行われると見られるが、与党と急進左派の政党は政策面での隔たりが大きく、互いに連立を拒否している。マクロン大統領は、誰を首相に任命するのか。東京大学法学部・中山洋平教授は「次の首相を指名する見込みは立たない」とコメント。その後、大統領が誰を首相に任命するのかは不透明だとしたうえで、議会運営については、多数派の形成が困難な中で厳しいものになると指摘する。