止まらないコメの価格高騰。その切り札として期待されているのが備蓄米の放出。凶作や災害で供給量が大幅に減ったときに活用される「備蓄米」。政府は毎年20万トンほど買い入れて5年間保管しており、今年1月に制度が改正され流通に支障が生じたときにも活用できるようになった。きのう農林水産省は備蓄米の入札に向け詳細を明らかにした。入札の対象になるのは2024年産のコメ10万トンと2023年産のコメ5万トン。JAなど事前に資格を得たコメを集める業者を対象に、来週月曜日~水曜日に賭け入札が行われるという。気になるのはコメの銘柄。全部で41品種。新潟県産コシヒカリ、秋田県産あきたこまち、北海道産ゆめぴりかなど数に差はあるものの、スーパーなどでよく目にする銘柄が並ぶ。農林水産省によると外食向けなどの業務用と一般家庭向けで偏りがないように銘柄を選んだという。徐々に明らかになってきた備蓄米の詳細。さらに販売方法についても新たな情報が。あるコメ卸業者によると「スーパーなどの家庭用についてはブレンド米になるだろう」とのこと。「ブレンド米」とは産地・製造年・銘柄が異なる複数のコメを混ぜ合わせたもの。新米と古米を混ぜたり、もっちり甘・あっさりなど特徴の異なる銘柄を混ぜることもある。一般に「ブレンド米」は単一の銘柄と比べると価格は安くなるという。業者などによると、今回放出される備蓄米については単一の備蓄米を確保するのが難しいことなどから、「ブレンド米」として販売される可能性が高いという。放出された備蓄米がスーパーの店頭などに並ぶのは早ければ今月下旬以降の見通しとなっているが、実際にスーパーに備蓄米が入って来る予定があるのか店の人に聞くと「今のところわからない。関西に来るのかというのと、本当にスーパーにちゃんと並ぶのか、半信半疑ですね」とのこと。詳細が発表されたものの、依然として不明な点が多い備蓄米の放出。消費者の関心は「本当に下がるのか」というところ。このあと、農業ジャーナリストとともに詳しく解説する。
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