エリザベス女王は1992年、それまで免除されていた所得税の支払いを公言した。その結果、40年以上にわたり世界中を航海したイギリス王室専用の船を失った。1952年、ジョージ6世の病気回復を願い、王室は造船を依頼。その2日後、ジョージ6世が逝去し女王が船の責任者となった。船上で夫・フィリップ殿下との仲睦まじい姿をたびたび見せた。実用性とエレガントさを備えた「ブリタニア号」は海外公務や外交の場などで活躍。年間で地球1周分と同じくらいの距離を航海。「ブリタニア号」も1990年代に入ると老朽化が進み、改修費など年間の経費は20億円以上。国民から厳しい目が向けられる中、女王は船を手放すことを決意。1997年、別れの日が訪れ、女王は涙を浮かべ「ブリタニア号」の最後を見守った。