中国のベンチャー企業「Deep Seek」が低いコストで、高性能の生成AIモデルを開発したことが世界に衝撃を与えている。01START・芝先恵介代表取締役は「Deep Seekの開発費は約9億円。最低でも何百億円かけてAIの開発をするのが常識だったが、その常識が崩れた」とコメント。Deep Seekの開発費は約8億7000万円。これはChatGPTを開発した米国OpenAIの開発費と比べて10分の1以下。それでも性能は肩を並べるレベル。Deep Seekは無料アプリランキングで、ChatGPTを抑え1位。米国の生成AI分野における優位性に懸念が広がり、半導体大手エヌビディアの時価総額は一時、18%下落した。トランプ大統領は「中国製のDeep Seek公開を、米国AI業界への警鐘として我々はこの競争に集中すべきだ」と述べた。天安門事件について2つのAIに質問したところ、ChatGPTは天安門事件の歴史拝啓、経緯、結果、影響まで説明したが、Deep Seekは中国政府にとってタブーな話題には明確な回答をしなかった。ブルームバーグ通信によると、Deep Seekの関係者がOpenAIのデータを不正入手した疑いがあり、提携するマイクロソフトが調査を開始したと報じた。さらに芝先恵介代表取締役は、情報流出のリスクもあると指摘。このような懸念もあり日本では、GMOは業務での利用を禁止、NECはまだ利用できる状態ではないと慎重な姿勢。イタリアではアプリストアから削除されるなど、100社以上が利用を控える動きが広がっている。芝先氏は「Deep SeekはChatGPTのような先生をうまく活用し、生徒として学習しているという話があるので、Deep Seekがその上を行けるかはまだまだ不透明」とコメント。