芸術文化の分野で優れた功績を挙げた人に贈られる第35回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者が決まった。絵画部門はソフィ・カルさん。写真と文字を組み合わせて、人生や日常を表現した斬新な作風で世界を魅了してきた。彫刻部門はドリス・サルセドさん。内戦下で育った経験から、暴力や痛みをテーマに家具や衣類を素材にして作品を制作し、世界的な評価を得ている。建築部門は坂茂さん。坂さんは文化施設だけでなく仮設住宅やシェルターも建設し積極的に災害支援も行う行動する建築家。音楽部門はピアニストのマリア・ジョアン・ピシュレさん。演奏家として国際的に活躍する一方、後進の育成や社会活動にも取り組んでいる。NHKの教育番組で、ピアノ講師を務めたこともある親日家。演劇映像部門は映画監督のアン・リーさん。娯楽性と芸術性を両立させた多彩な作品で、2度のアカデミー賞監督賞など数々の賞を受賞。日本映画からも影響を受けたと言い、是枝裕和監督と長い親交がある。若手芸術家奨励制度にはインドネシアのコムニタスサリハラ芸術センターが選ばれた。芸術家などの支援で設立されたインドネシア初の民間複合文化施設で、表現と思想の自由を守る芸術活動を推進している。授賞式は11月19日にオークラ東京で行われる。