東西冷戦の最中、共産主義の拡大を恐れたアメリカが南ベトナムを支援し北ベトナムとの間で激しい戦闘を繰り広げたベトナム戦争。ベトナム死者数は兵士85万人、民間人200万人。南北統一後も外交関係が途絶えていた両国は1995年に国交正常化。ベトナム側は経済発展の足がかりとしてアメリカとの関係強化を図る。一方のアメリカも中国に対抗する戦略上のパートナーとしてベトナムを重視。クリントン大統領以後、歴代大統領が現地への訪問を重ねてきた。今年は戦争からアメリカ軍が撤退完了して50年の節目。今アメリカとベトナムは急速に結びつきを強めている。しかし両国の間にはかつての戦争がもたらした負の遺産と言うべき課題も残されている。その一つが国土の2割ちかくに埋まっていると言われる地雷と不発弾。アメリカ政府の資金援助を受けて今も続く除去作業の現場を取材した。