近代オリンピックの創立者であるピエール・ド・クーベルタンはスポーツを通じて平和な世界を実現できると考えていたという。そんあクーベルタンがオリンピックについて語った肉声が流れた。古代のオリンピックは戦争をしていても大会中は休戦するという決まりがあった。そのためオリンピックが平和の祭典になることをクーベルタンは願っていたという。ただ第一次世界大戦によってクーベルタンの理想は挫折する。さらにアドルフ・ヒトラーはオリンピックを利用して権威を高めようとし、この大会から公式記録映画の撮影を始めたという。この大会は大成功に終わったが、この大会が戦前最後のオリンピックになる。
オリンピックが終わった途端にヒトラーは本性をあらわにして、ユダヤ人への迫害を強めていった。そして第二次世界大戦が始まって戦火は世界中に広まっていった。このことによってオリンピックは12年間開かれることはなかったという。
ベルリン大会から36年後の1972年に再びドイツでオリンピックが開催されることになった。ミュンヘン大会は平和国家に生まれ変わったドイツをアピールするのに絶好の機会になった。ミュンヘン大会ではイスラエル選手団が注目され、順調に大会は進んだ。しかし大会11日目にテロリストがイスラエル選手団を襲撃し立てこもるという事件があった。そして選手団はテロリストに殺されたという。
その後、世界では戦争や紛争など民族の対立が絶えることはなかった。ただリレハンメル冬季大会で国連はオリンピック休戦が決議され初採択された。そしてアトランタ大会にはパレスチナの選手も参加したという。
今年4月に33回目になるパリ五輪の採火式がギリシャで行われた。パリ五輪のレスリングの欧州予選にはウクライナの選手が出場し五輪への出場権を獲得した。もう一人の出場権はロシア選手になった。ただウクライナ侵攻を支持しているロシア人選手の参加は認められてない。その後発表された出場選手の中にロシア人選手の名前はなかった。さらにその後、ロシアは出場を予定していた選手全員の出場を取りやめたという。最後にミュンヘン大会でテロリストに殺害されたイスラエル選手団のコーチの妻だったアンキー・スピッツァーは「お互いを説明し理解に努めることで、いつかラソイを終わらせることができるかもしれない」と語った。