群馬県の東部に位置する桐生市。人口約10万人、東京から特急列車なら約1時間40分。駅で待っていたのは市役所の馬場秀穂さん。やってきたのは、移住希望者たち。市が主催する見学ツアーで、街を直接見て貰おうという。多い時には20人以上がやってくる。街の中心部にある本町通り、この日ツアー参加者がまず案内されたのは先輩移住者が営むデニム工房。店主の森山竜乃介さんは岡山でデニム縫製の修行後、去年工房をオープンさせた。織物工場の名残を残すのこぎり屋根の建物、かつては“西の西陣 東の桐生”と謳われ古くから続く織物の産地。今も地場産業として根付き、多くの職人が繊維の仕事に携わっている。そうした街の歴史や環境に惹かれ、移り住む人もすくなくない。比較的新しいアパレルの店が多いのも桐生の特徴。続いて、ツアー参加者が案内されたのは桐生で唯一のベーグル専門店。この店を営んでいるのがさいたま市から2023年に移住してきた、戸草内さん一家。親子3人で引っ越してきた。脱サラして職人になった戸草内さん、1日に作れるベーグルは200個ほど。休日には昼すぎに完売してしまう人気ぶり。以前は雑貨店だった空き店舗を改装し、自己資金300万円で店を始めた。中心市街地の16%が空き店舗となっており、桐生市では空き物件を活用した店舗開業を最大140万円補助している。昭和40年頃の本町通りは、専門店が軒を連ねる一大商店街だった。街を見下ろす小高い丘には、桐生市民が愛する昭和そのままの姿を残す遊園地があった。
住所: 群馬県桐生市本町5-347
URL: https://komugi.shop/
URL: https://komugi.shop/