大切な思い入れが詰まったおもちゃを修理するおもちゃのための病院がある。治療するのはシニア世代のドクターたち。新たな命をふきこむおもちゃ病院を取材した。大阪市にある「おおさか・きた・おもちゃ病院」で修理するのは、平均年齢71歳のおもちゃドクターで、無料でおもちゃを治している。病院があるのは高齢者施設の一室。やってきたのは8歳の小学生と母親。小学校入学のお祝いで買ってもらったおもちゃのパソコンを修理してほしいという。電子関係に詳しい国府ドクターが診察する。約2時間治療したが故障の原因はわからなかった。おもちゃの完治率は約70%、それでも持ち込む人は後を絶たない。おもちゃ病院は全国に約700か所あり、「おおさか・きた・おもちゃ病院」は月2回活動している。ドクターは10人いて経歴は様々。井用憲男会長は元公務員、おもちゃドクター・中山敬祐さんは電気関係、佐々木良二さんは事務機のメンテナンスをやっていた。2歳の女の子と母親が持ってきたのはピンボールで、ドクターの手によって修理された。昭和40年代に流行したペコちゃん人形。取り替える部品がない時は3Dプリンターで部品を作る。ドクターたちの手にかかればその時代を蘇らせることができる。病院で治らないおもちゃは「入院」と称して自宅に持ち帰り時間をかけて修理する。猿のぬいぐるみの修理を依頼した女性によると、ぬいぐるみが歌を歌わなくなったという。二人がかりで切れた線をハンダ付けする。2時間半に及ぶ手術が終了すると、母との思い出の歌声がおもちゃ病院に響き渡った。「ありがとう」の笑顔と出会うことが、ドクターたちの最高の生きがい。
