ラザレット・ヌオーヴォ島は16世紀~17世紀にペストを予防するための検疫所だった。当時は治療法もなくヨーロッパ中の人々を恐怖に陥れた。ヴェネツィア共和国は疫病の流行を防ぐため、この島に検疫施設を築いた。海外から船で運ばれてきた交易品を倉庫で保管した。荷物を置いて消毒するためだ。船の乗組員を隔離する施設もあった。荷物とともに40日間島に留められ、安全が確認されてから本島への上陸が許された。こうした水際対策は当時としては画期的な試みだった。ヴェネツィアの検疫制度はその後のヨーロッパ、世界の感染対策に大きな影響を与えた。
