日本製鉄のUSスチール買収に対しバイデン大統領は慎重な姿勢を示している。日本製鉄の買収は当初は好調でUSスチールのHPには日本製鉄といっしょになり最高の製鉄会社として前進すると書かれていた。USスチールは1901年設立の製鉄会社で第二次世界大戦中ではアメリカ最大となる従業員35万人を擁していた。日本製鉄は1950年に設立して従業員は約10万人の日本を代表する製鉄会社で春闘では過去最高の3万5000円の賃上げに回答している。鉄鋼メーカーの生産量で1位は中国の宝武鋼鉄集団で2位を大きく引き離している。日本製鉄は4位でUSスチールは27位である。日本製鉄がUSスチールを買収した場合単純合算で3位の中国企業を上回り3位になる形となる。USスチールのあるペンシルベニア州は大統領選の激戦区で2016年はトランプ前大統領が勝利し、2020年はバイデン大統領が勝利している。USスチールの労働組合は日本企業による買収に激しく反発しており、全米鉄鋼労働組合も買収事案について従業員の懸念を押しのけて買収を選択したことに失望したとしている。トランプ前大統領はバイデン大統領に先んじて買収に反対する声明を発表している。アメリカでは企業買収がアメリカの安全保障に影響する確かな証拠があれば大統領がストップする権限がある。