石破トランプ両首脳の初めての対面会談まであと2時間を切った。石破総理は笑顔でアメリカに到着し会談を前に同行した秘書官らと打ち合わせする様子をSNSに公開した。一方、トランプ大統領は首脳会談に先立ち、USスチールのCEOと面会。USスチールの買収問題は会談の大きな焦点にもなっていてトランプ大統領はこれまで買収には反対の立場を示してきた。しかしUSスチールがあるペンシルベニア州を訪ねるとUSスチールの工場のゲートのすぐ前にあるレストランに日本製鉄による買収に賛成するポスターが貼ってあった。「鉄鋼労働者を守れ」と書かれたポスターを貼ったのはUSスチールの工場で働く男性。クレアトン市のラタンジ市長も地域の再生につながると買収を支持。石破総理は会談に向けた勉強会でどう話せばトランプ大統領は納得するのかと自問自答を繰り返し刺さる話し方を研究していた。その1つが石破構文を封印すること。こうした理屈、説明から入り結論を言うかと思ったら濁す。いわゆる石破構文は国会で野党の攻撃をかわすことはあってもトランプ大統領には刺さらない、むしろ嫌われるとみられている。そのため周囲からは正反対の戦略、結論を先、シンプルにというアドバイスを受けている。総理自身も普段と逆のことをやればいいと思えば簡単だなどと強気だったが実際、会談で成功するかは未知数。もう1つは否定はせずに肯定。ある外務省幹部はトランプ大統領が一番嫌がるのは自分が否定されることなんだと話している。トランプ大統領の政策に到底納得できなかったとしても否定はせずに刺激することを避けたい考え。安全保障と経済が大きなテーマとなる会談だが、日本側にはトランプ関税など経済関連で吹っ掛けられるのではとの警戒感がある。そのため、まずは安全保障の話で場を温めてから経済に入っていく経済を後回し戦略も検討されている。