テーマは「原油で強まる日米関係」。日本経済に影響をもたらす経路は2つあり、1つ目はホルムズ海峡に代表される中東の洋上の物流がどうなるか、2つ目は原油などの商品価格から日本経済は注意すべきだという。1日あたりのホルムズ海峡のタンカー航行数を見ると、2月末以降はほぼゼロという状態。しかし6月半ばには覚書の締結などを受け増加に向かうかと思われたが、1日あたり20隻程度でまた落ち込んだ。物流環境の観点から見ると、中東情勢は正常化には程遠いことになる。ホルムズ海峡の機能不全を受けて、代替経路が注目される。サウジアラビアの西側バブ・エル・マンデブ海峡、アフリカ大陸南端の喜望峰のそれぞれ1日あたりのタンカー航行数を見ると、目に見えては増えていない。代替経路も含めて物流環境はやや厳しいという。原油価格から見た状況は、かなり正常化したという印象が一時期はあったという。特に日本経済への影響という点では、ドバイの銘柄が重要になる。6月末には1バレル=70ドル台、場合によっては60ドル台にも下りてきてほぼ正常化したと思われたが、少し上がる傾向が見られている。今後の再上昇への警戒は怠ることはできない。日本は原油の調達を多様化させてきている。20%弱を米国から輸入している状態。米国の原油輸出を見ると、ここでも日本オン存在感が高まっている。6月には米国の原油輸出先において、日本がトップに躍り出た。日本から見た時の米国の重要性と、米国から見た時の日本の重要性が両方向で原油貿易を介して強まっていると見えるという。米国自体の原油の生産量自体は増えていない。日本が米国からの原油の輸出を増やしているのは、戦略的な備蓄の放出なので、当面の安心材料であって、根本的には中東の物流環境の改善自体が問われる。アメリカの原油の生産量が増えていないのは儲からないという事情もある。今後日本にとって考えなくてはいけない選択肢は、代替経路の多様かも含めて米国一国に依存するわけにもいかないという現実を直視する必要があるという。
