日本製鉄によるUSスチールの買収計画を巡っては、米国政府の対外投資委員会が安全保障上の懸念がないか審査を続けている。こうした中、ブルームバーグ通信は10日、関係者の話として“委員会が23日までにバイデン大統領に審査結果を報告し、バイデン氏が最終的に安全保障上の懸念を理由に買収を阻止する考えだ”と伝えた。また記事では買収阻止となった場合“訴訟に発展する可能性もある”とも報じている。この報道についてホワイトハウスの報道官は10日、会見で「新しい情報はない」と説明した。買収計画を巡っては、トランプ次期大統領も阻止する考えを表明している。日本製鉄はこうした報道を受けて「公正な結論を得るためにあらゆる手段を検討し講じていく」とコメントしている。さらに「USスチールの成功と確かな未来について長期的にコミットしていることを示したい」として、“買収が完了した場合、USスチールの従業員に対し1人当たり5000ドル、日本円でおよそ75万円のボーナスを支給する”と発表した。これに対し、買収に反対する全米鉄鋼労働組合(USW)は「労組をつぶすための最後の古典的な手段を使ってきた。賄賂だ。我々はだまされない」と反発する声明を出していて、買収成立が一段と難しくなったとの見方が広がっている。USスチールのYouTubeからの映像。