アメリカのトランプ政権と初めての交渉にのぞんだ赤澤経済再生相が帰国した。「日本側からも言うべきことは言ってきた」などと記者団を前に語った。次回の交渉日程について問われると「今月中はまだ再来週もある。慌てずに待ってもらいたい」と答えた。アメリカのトランプ大統領は「今後3~4週間ですべてが解決すると思う」と記者団を前に語った。ホワイトハウスは交渉の写真を公開。複数の政府関係者への取材で交渉の内容が明らかとなった。トランプ大統領は「対日貿易赤字が多額」と主張し、「貿易赤字をゼロ」にしたい意向を示した。日本ではアメリカの自動車が走っていない、アメリカの農産品も買ってくれないと語った。在日米軍の駐留経費など念頭に日本の安全保障の負担が少ないと不満を示した。続いて行われた閣僚交渉でアメリカ側は外国貿易障壁報告書をもとに要求を重ねた。自動車について、日本の安全基準が“アメリカ車の市場参入が妨げられる「非関税障壁」に”なっているとして見直しを迫った。農産物については関心を持つ品目として、コメ・肉・魚介類・じゃがいもを挙げた。赤澤大臣は“優先順位を付けて示してほしい”と応じた。福岡県内の自動車部品メーカーの専務は「無傷では済まないだろうなとは思っている」と不安を口にした。アメリカ向け自動車バンパーなどの部品を製作しており、事業の先行きに不透明感が強まるなか、新規採用を抑えることになりかもしれないと懸念している。きょう都内で海外事業で影響を受ける企業を対象とした緊急セミナーを開催したJETRO(日本貿易振興機構)によると、企業側は日々変わっていくトランプ政権の方針に困惑しているという。石破首相は自民党本部で行われた会合で「この5年間いちばんアメリカに投資し、雇用を生んできたのは日本であり、これから先、高い関税が課されることになると投資する余力そのものがなくなる」と語った。参院本会議では在日米軍の駐留経費について、適切に分担されているとの考えを示した。立憲民主党・野田代表は「情報を共有して考えたい。無理な条件をのむことは避けなければいけない」などと語った。