銃撃されたミゲル・ウリベ氏は1986年生まれの39歳で、祖父は1978年~82年まで大統領を務めている。自身も市議会議員を経て上院議員に当選しており今回大統領選挙に立候補の意向を示していた。また母親は1991年に麻薬組織に誘拐され殺害されたという。サラビア外相は暗黒時代を思い起こさせるとしている。暗黒時代とは1989年~90年の半年間で3人の大統領候補が相次いで殺害されたもので、いずれの候補も麻薬組織との癒着や汚職の撤廃を掲げていた。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、2022年に就任したペトロ大統領は麻薬組織の武装解除で治安回復を目指してきたとされるが、人権団体の報告書によると去年時点で232の自治体が麻薬組織に掌握されており、1月に起こった麻薬組織同士の抗争では数万人の市民が家を失い80人が死亡する事態となっている。ウリベ氏は、暴力にまみれた状態に逆戻りだと大統領を批判していた。ウリベ氏の銃撃事件では15歳の少年が拘束されており、麻薬に関係する男から指示されたと話しているという。コロンビア政府は有益な情報提供者に約1億円の懸賞金を出すと発表している。