大会5日目、五輪3大会連続出場で初のメダル獲得を目指す柔道女子63キロ級の高市未来は1回戦、横四方固で一本勝ち。しかし続く2回戦でK.クリストに敗れた。同じ日本勢の雪辱を果たしたのが、これまで誰も成し遂げていない柔道男子81キロ級連覇の偉業に挑んだ永瀬貴規。準々決勝の相手は世界ランキング1位、ベルギーのM.カッセ。延長戦の末に強敵を破った永瀬は準決勝では支釣込足で技ありを奪うと、その後寝技で抑え込み合せ技一本。相手を圧倒して勝ち上がる。快挙まであと1勝とした永瀬。決勝の相手は世界選手権3連覇中のジョージアのタト・グリガラシビリ。開始1分51秒、谷落で技ありを奪うと、その後も攻め続け再び谷落で一本。永瀬貴規が3大会連続のメダル獲得。そして五輪史上初、81キロ級連覇の偉業を成し遂げた。永瀬が今も練習拠点としている母校・筑波大学柔道部の岡田監督は「見ていて不安な場面が殆どなかった。安心して最初から最後まで見ていられた」と話す。バルセロナ五輪・86キロ級銅メダリストの岡田監督は永瀬の強さについて「私の知る限り、日本の柔道選手の中で最も質の高い稽古を最もたくさんしているしている選手。トップ選手になると自分の好きな稽古だけをする傾向にあるが、永瀬の場合は普通の選手があまりやりたがらないような練習だったり寝技、そういった稽古をきちっとやり続けている。それが永瀬の強さを生み出したと思っている」と話す。強さの秘密についてこのあと、日本柔道界のレジェンド・谷亮子さんが解説する。