SNSで話題の“gentle parenting(ジェントル ペアレンティング)”について。意味は「優しい子育て」で、子どもに選択肢を与えて自立心を育てるもの。親が「共感」「尊敬」「理解」「境界線」を意識し、怒らず冷静に自分を制御するのを見て、子どもが自身のコントロールを学ぶという。アメリカでの調査では自分を優しい親だと認識している人の84%が白人で高学歴だった。研究者が広めた考えではなくインフルエンサーが広めたもので、他にも「睡眠訓練」「モンテッソーリ教育」などもSNSから広まった。注目される育児法は時代とともに変わり、1920年代の行動主義から1990年代の愛情育児、21世紀からはのびのび育児と移り変わってきた。「優しい子育て」を自認する親の40%以上から「友人や地域社会の助けを借りていない」「サポートがないのは難しい」などのネガティブな声も上がっているという。考え方の違う人の力を借りることができずに孤立しがちなのではないか、とパックンは話した。今の主流は「民主的子育て」で明確なリミット(境界や範囲)を設定し、理由の説明をしてルールを順守させ、叱るより褒めることを重視するものだという。新しいものを取り入れるときに古いものを駄目だというのはマーケティングの手法。「優しい子育て」を提唱する人の論調も同じようなものになっている。子どもはみんなそれぞれ違い、親も生活環境もすべて異なる。すべてうまく行く手段はなく、自分と自分の子に合った方法をそれぞれで見つけることが必要だとパックンは話した。