日経平均株価はきょう、一時800円以上、値下がりした。先週、日銀が国債購入の減額に関する具体的計画を示さなかったことで運用リスクを避けようとする動きが強まった。個別銘柄で特に下落が目立ったのがヨーロッパで事業を展開する企業。自動車メーカーのマツダは3.7%安となった。先週末、フランスの代表的な株価指数CAC40は2.7%下落。ドイツのDAXも1.4%下落していてヨーロッパの株安が日本に波及した形。ヨーロッパ発の株安の発端となったのがフランスの野党、極右政党のRN・国民連合・バルデラ党首は今月末に投票が始まる総選挙で電気代やガス料金に関する大規模減税を訴えている。国民連合は今月上旬に行われたEUの議会選挙でも圧勝。減税策には多額の財源が必要だが、世論調査では支持率でトップを走り、マクロン大統領率いる与党を追い詰めている。ドイツやオランダなどでもこうした極右政党が台頭している。各国の政治の不安定化が世界経済の火種になりつつある。CAC40は自動車のルノーや、高級ブランドのエルメス、ヨーグルトのダノンなど40銘柄から構成されているがマクロン大統領が下院解散を決めて以降、14日までに6%を超える急落となっている。バルデラ党首が仮に選挙に勝利し大規模減税を実施すれば、フランスの財政が悪化するとの懸念からフランス国債には売りが殺到して金利が上昇していることが背景にある。フランスは借金が返せなくなるのではと市場は警戒している。フランスの今年の財政収支の見通しは、対GDP比率で見てもヨーロッパの主要国の中でいまや最悪の水準とみなされている。2022年、英国・トラス首相が就任時に大規模な減税を打ち出して同じく急激な株安と金利の急騰を招いて、わずか1か月半で辞任に追い込まれている。