「クロワッサンがこの形なのはオスマン帝国に戦争で勝ったから」について、日仏料理協会の宇田川さんが解説。クロワッサンには三日月形とひし形があるが、先に生まれたのは三日月形。1683年、オーストリア・ウィーンは第2次ウィーン包囲という進撃作戦によりオスマン帝国に包囲されていた。オーストリアの堅い守りで2か月均衡状態が続き、痺れを切らしていたオスマン帝国軍は、オーストリア人が寝静まった深夜に地下トンネルを掘り始めた。オスマン帝国軍が掘ったトンネルは偶然にも地下室のパン工房近くまで掘り進んだ。パン職人たちは、念の為、軍隊へ報告。この報告によってオスマン帝国軍の侵入を食い止めることができた。そのパン職人の功績を高く評価した皇帝は新しいパンを作る権利をパン職人に与えた。パン職人がオスマン帝国軍への勝利を記念して作ったのがキッフェルン。形は当時のオスマン帝国の旗にある三日月形のマークを真似た。「オスマン帝国を食べてやった」という意味が込められていたそう。キッフェルンをもとにクロワッサンができたのは20世紀初め。パリのパン職人によって作られた。