ペルーで15日に始まるAPECの首脳会議。また、週明けからはブラジルでG20の首脳会議が始まる。米国・バイデン大統領が出席するがこれが任期中の最後の大きな外交舞台となる。バイデン氏が進めてきた、米国が国際問題に同盟国などと協力しながら積極的に関わる「多国間協調主義」が終わり、トランプ氏のもとでの「米国第一主義」が始まることになるとみられている。一方で、トランプ氏がいくら米国第一主義を語り国内問題に、より優先的に対応すべきだとしても、米国が世界にあるおよそ200の国の1つであり、世界と関わらないといけないことに変わりはない。トランプ氏は、これまでに外交トップの国務長官に強硬派として知られるルビオ氏を起用すると発表するなど新政権の外交、安全保障の布陣も見えてきている。こうした人物たちはどのように外交を展開するのか、3つの考え方のせめぎ合いによって決まるとの分析が出ている。ヨーロッパのシンクタンク欧州外交評議会はその3つの考え方を自制派、優位維持派、優先順位派と名付けて説明している。自制派は米国は国際問題にできるだけ文字どおり自制すべきだという考え。優位維持派は自制派とは対照的に米国は軍事力を展開し、世界で優位な立場にいなければならないという考え。優先順位派は自制派のように、米国が国際問題に関わることには否定的だが、それでも脅威とみなす中国については優先順位は上だとして積極的に対応すべきだという考え。