宮城・南三陸町でサケ漁に向かった船が水揚げしたのは小型のアジやサバ。漁師は「サケはいない」と話す。南三陸町のサケの水揚げ量グラフ(2011年2143t→2023年3t)。今シーズンの水揚げ量は約500kg(過去最低)。気象庁発表「平年の海面水温との差(月平均)」によると三陸沖の海水温は6℃上昇。今月、宮城・三陸沖の海を撮影したところ、これまで見られなかった南の海に生息する魚の姿が確認できた(ムレハタタテダイ、ミナミハコフグ、ソラスズメダイ)。海洋研究開発機構・美山透主任研究員は急激な海水温の上昇は潮の流れが関係していると分析、「強い海流が温かい水を運んで世界でも非常に目立った水温上昇になっている」と話す。サケを卵から孵し川に放流する事業所では県内の孵化場15か所のうち2か所の休止を検討している。志津川淡水漁業共同組合・千葉純一事務局長は「今後、継続していくかも考えていかなければならない」と話す。