日産自動車の内田誠社長が今月末で退任することを明らかにした。さらに、生産や技術開発を担当する2人の副社長も退任するなど、経営陣を刷新する。内田氏はゴーン元会長時代の拡大路線からの転換を進めたが、抜本的な改革には至らず業績は再び悪化。そうした中、ホンダとの経営統合協議に踏み切ったが、僅か1か月半で打ち切りとなった。業績悪化に加えて、ホンダとの経営統合の協議で混乱を招いたとして、経営責任を問う声が高まっていた。後任の社長に就任するイヴァン・エスピノーサ氏はメキシコ出身。2003年にメキシコ日産自動車に入社、2018年から日産の常務としてグローバルの商品戦略や商品企画を担当。去年からは商品企画などの責任者を務めている。業績が急速に悪化している日産は経営立て直しに向け、2026年度までに工場閉鎖や生産ラインの集約などで世界での生産能力を20%減らす計画をこれまでに明らかにしている。日産は業績の悪化が鮮明になる中、経営の立て直しが待ったなしの課題。新しい経営トップは、業績の立て直しとともに、将来の成長に向けた戦略を描くという、難しいかじ取りが求められている。