ニューヨークにあるメトロポリタン美術館で行われたメットガラ。記者会見の会場には、メットガラの主催者で、ファッション誌「VOGUE」の編集長のアナ・ウィンターなど、ファッション界をけん引するデザイナーや編集者が集まっていた。会見から8時間後、会場には、セレブたちが豪華衣装で登場。BLACKPINKのJENNIEは、シャネルのハットとドレスで登場。ダイアナ・ロスは、5メートル以上の巨大ドレスを披露。メットガラは、メトロポリタン美術館の資金集めのために開かれる完全招待制のイベント。世界に配信されるレッドカーペットの後には、メディア非公開となる食事会が開催。参加費は約数千万円ともいわれる。美術館の活動資金に活用される。美術館では、テーマに合わせた企画展が行われている。ことしは黒人が生んだファッションに光をあてる「華麗なるブラックスタイル」がテーマ。タキシード用の腰巻「カマーバンド」には、「SEE US NOW?」と書かれている。2020年に広がった黒人差別への抗議運動「ブラック・ライブズ・マター」の時期に制作されたもので、社会への訴えを表現している。社会的メッセージを発信するのもメットガラの特徴。ジャネール・モネイは、レッドカーペットで、時計の針があしらわれた片眼鏡を披露。黒人の歴史を敬い未来も敬う思いが表現されているという。タイラー・ペリーの衣装をデザインしたデザイナーを取材。伝統的な紳士服のストライプ柄をイメージしたデザインは、1920年代、黒人男性があまり認められなかった時代の仕立てを想起させるものを取り入れたかったという。黒人としてのアイデンティティや歴史に誇りをもってほしいというメッセージを込めたという。デザイナーは、ファッションには言語を超えて人々を結び付けつなぐ力がある、差別など多くの人の障害となるものをかき消せればいいなどと話した。