メノルカ島にあるT字の巨石「タウラ」。今で発見されたタウラ囲いは32か所、ほとんどが馬の蹄の形だ。壁の内部は聖なる儀式の場だったと考えられている。タウラ囲いには火を焚いた跡があり、動物の骨が大量に見つかっている。生贄の儀式がここで行われたと考えられる。タウラが神をかたどったシンボルなのではないかと考える研究者もいる。タウラを囲む柱には祭壇と見られる台があり、その下で雄牛の銅像が見つかった。雄牛は当時の地中海一帯で神として崇められていた。タウラがT字なのは島の外から伝わった雄牛信仰の現れだというのが有力な仮説の一つだ。巨石は石灰岩から切り出されている。島の半分近くが石灰岩の大地だ。実際、1500か所の遺跡の多くが島の半分の石灰岩の地域に集中している。