ロシアのプーチン大統領の就任式が7日、モスクワで行われた。2030年まで通算5期目の任期が始まったプーチン大統領。演説では、ウクライナへの軍事侵攻に参加する兵士たちに謝意を示すとともに国民に「われわれは結束した偉大な国民だ。あらゆる困難を乗り越えて計画したことをすべて実現する。ともに勝利しよう」と呼びかけた。プーチン大統領は8日、旧ソビエト諸国の首脳との会議を開くほか、9日は第2次世界大戦でナチスドイツに勝利したことを記念する式典に臨む予定。ウクライナ侵攻で欧米との対立が深まる中、友好国との連携をアピールするとともに国民に改めて結束を呼びかけるものと見られる。プーチン大統領の1期目に首相を務めた元側近のミハイルカシヤノフ氏は、政策を巡る対立などから解任され、その後は野党勢力の一員として政権の批判を行ってきた。ウクライナへの軍事侵攻について「プーチン氏が成し遂げたことを明文化するため大規模に前線を突破し再びキーウに進軍するのでは」と述べ、戦時下の強権的な体制は長期にわたって続くという見方を示した。さらにプーチン大統領は「周囲の中に信頼する人物がいることは確かだ」と述べ、新たな任期に関連して後継者の選定も意識される可能性に言及した。ただ、後継の体制も同様に強権的になる可能性があると悲観的な見方を示した。