今、全国の小学校で外国ルーツの児童がクラスで仲間外れになるといった問題が起きている。岐阜市にある「黒野こども園」では幼児期から違いを認める心をはぐくもうと新たな試みを始めている。外国人の園児は市内最多のおよそ30人。その国籍は8か国に及ぶ。園が力を入れているのは体験型の教育。楽しみながらお互いの国のことを知ってもらうのが狙いとのこと。こうした方針の大切さに気づいたのは4年前で、イスラム教の断食期間中、給食の時間だけムスリムの子どもたちを職員室で過ごさせていた時のこと。日本人の園児から「なんで違う給食なの?」などの質問が飛んだという。見た目や習慣の違いを得体の知れない壁と思い込んでしまう前に、そこに素直な興味を感じてもらうことが大切だと考えるようになった。芽生えた興味をより育んでもらうために毎年行っているのがモスクの訪問。自分と違うものに心を開き交流を重ねていくことが貴重な原体験になると園では考えている。