モルディブの選挙の決選投票で親中国のムイズ氏が現職のソリ氏を破って勝利した。ムイズ氏の得票率は54.06%でソリ氏も敗北を認めた。インドのモディ首相はムイズ氏を祝福し、インドは長年の実績があるモルディブとの二国間関係に引き続き注力していく決意であるとのメッセージを送った。大きな問題は今回の選挙結果がインド及びインド太平洋に及ぼす影響。ムイズ氏が展開した脱インド運動は島国モルディブが中国寄りに舵を切り現職のソリ氏によるインド重視の外交政策から脱却を意味する。インドによる近隣諸国第一政策の主な国として2億5000万ドル以上の支援からサイバーセキュリティー・警察に関する協定に至るまでソリ政権下で両国は戦略的にも経済的にも関係が強化された。ムイズ氏を支援したのは脱インド運動を始めたヤミーン前大統領で現在は汚職の罪で収監されている。ヤミーン政権下でムイズ氏は検察庁を務め、国家開発計画で中心的役割を果たした。選挙戦でムイズ氏は「インドが好き放題に進出するのを容認した」と現職大統領を批判。駐留インド軍を撤退させ、インドが圧倒的に優位と自身が見ている貿易関係のバランスを取り戻すと公約した。11月17日のムイズ氏の就任までの移行期間はソリ氏が大統領を引き続き務める。モルディブはインド洋の中心に位置し世界でも最も交通量の多い東西航路の1つの近くにある。今回の政権交代は戦略的近郊が中国有利に動いたことを意味している。