経済部・西園興起が「日本製鉄・USスチール買収の行方は?」について解説。日本製鉄によるUSスチール買収は、雇用への影響や安全保障上の懸念から反対の声が出ていて、とりわけUSWという鉄鋼業界の労働組合が強硬に反対している。さらに大統領選挙の思惑も絡む中で民主党、共和党ともに日本製鉄の買収計画に厳しい姿勢を示して逆風に。先週にはバイデン大統領が買収を阻止する意向だと米国のメディアが伝えていた。大統領は国の安全保障の脅威とみなせば買収を止めることができ、そのための判断をするのが対米外国投資委員会。今月下旬の審査期限まであとわずかとなっているが、買収の賛否をめぐって委員会の中でも意見が割れているという報道もある。バイデン大統領の判断で買収を阻止するという意向を示した場合、日本製鉄は買収が認められなければ訴訟も辞さない構え。もともとUSスチールは業績が悪化していて、買収相手を探していた。会社によると、買収が成立しなければ現地の製鉄所の閉鎖や本社の移転の可能性もあるという。さらに、日米の経済関係にも影響する可能性がある。