IAEA(国際原子力機関)の理事会が始まり、グロッシ事務局長はイランの核開発について「先月8日までの3か月余りの間に、核合意で定めた上限を大幅に超える60%の濃縮度に高めたウランの蓄積が274.8キロと、約1.5倍に増えた」と報告した。イランは核開発について「平和利用が目的だ」と主張しているが、濃縮度が90%以上になると核兵器に転用が可能とされている。「IAEAへの協力が不十分だ」として欧米が圧力を強めていることに対し「対抗措置を行う」としていて、IAEAは「イランが去年12月以降、ウラン濃縮に使う高性能の遠心分離機を新たに稼働させた」と明らかにした。こうした状況について、グロッシ事務局長は「イランは核兵器を保有しない国で唯一、このレベルまで濃縮を進めている」と深刻な懸念を示した。