ホンダは栃木県の研究開発拠点におよそ430億円を投じ巨大な試作ラインを建設。現在、EVに主に使用されているリチウムイオン電池は電流を発生させるイオンの通り道となる電解質が液体でできている。一方、全固体電池は、その電解質にイオンがより速く移動できる特殊な固体を使うことでより効率的に電流を生むことができる。こうした全固体電池では充電時間が大幅に短縮できるほかホンダは航続距離を2倍以上に延ばせるとしている。今回の試作ラインで量産への課題を検証し2020年代後半に発売する新車に搭載する計画。東京科学大学の全固体電池研究センターではさまざまな素材を使った電池を毎月、数百個作っている。現在、ホンダやトヨタといった自動車メーカーをはじめ20を超える企業が共同研究に加わっている。現在のリチウムイオン電池では中国や韓国など海外勢が日本を先行。新たに試作ラインを稼働させるホンダは全固体電池で巻き返しを狙う。本田技研研究所・大津啓司社長は「EVの魅力をしっかり発揮できる全固体電池として実用化できれば中国・韓国に対して技術的には日本が上回っていくことができる技術だ」と話した。