レギュラーシーズン最後の舞台はクアーズフィールド。この球場の通称は「打者天国」。標高約1,600メートルと空気抵抗が少ないため打球が飛ぶと言われている。そんなバッター有利の球場で12年ぶりのメジャー三冠王へ突き進む大谷の第1打席。ライトの頭上をあっという間に越える打球は、打球速度179.1キロ。長打コースだったが打球が速すぎたためシングルヒットとなる。続く2番・ベッツの打席で2塁ベースを踏まずに1塁に戻ったためアウトの判定となるダブルプレーに。ドジャースの先発は復帰後4試合目の登板となった山本由伸。いきなり連打を浴びノーアウト3・1塁とされると3番・マクマーンに犠牲フライを打たれ先制を許す。しかしここは打者天国。2回、1アウト2・1塁のチャンスにキケ・ヘルナンデスが飛距離131メートルの逆転3ランホームラン。先発の山本は3回にホームランを浴びるも4回以降は圧巻のピッチング。見方も大絶賛のスプリットで三振を奪いこの試合初めて三者凡退に抑える。続く5回、大谷はフォアボールで出塁。7月以降だけで盗塁数は41。58個目の盗塁に成功かと思われたが、ピッチャーのボークと判定され盗塁は取り消しに。それでもその後ドジャースはランナー1・3塁とすると4番4番・T.ヘルナンデスが33号3ランを放つ。大量援護をもらった山本はスプリットできょう6つ目の三振を奪うなど5回を三者凡退抑え勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りる。ポストシーズンでは第2戦の先発が決まっている。6回、大谷の第4打席。フルカウントからの6球目、ライト前へ運び出塁。今度こそ盗塁に成功。日本人最多記録を「58」に伸ばす。試合終盤にはビッグプレーも飛び出す。これで勝利を収めたドジャース。山本は復帰後初勝利で今シーズン7勝目。一方、逆転三冠王に向けて打率を3割1分に上げた大谷。トップのアラエスとの差はわずか4厘。明日の最終戦で三冠王の行方が決まる。