全編コンピューターグラフィックスによって制作された映画「トイ・ストーリー2」。登場人物たちが表情豊かに動きまわり、大ヒットした。この映画の制作に関わったジョブズさんはコンピュータ技術が人の心を動かす力を秘めていると確信した。ジョブズさんは今、パソコンを情報だけでなく人間の感情を伝え合う手段にしたいと考えている。中でもコンピュータ独自の映像表現を一般向けのパソコンで実現することに力を入れている。パソコンによる映像技術による進歩はすでにデザイナーや建築家、漫画家などの表現方法を変え始めている。今年64歳になるモンキー・パンチさん。30年以上にわたってルパン三世を描き続けてきた。数年前まではペンや筆を使って一コマ一コマ漫画を描いていた。しかし、今使うのは電子ペン。パソコンなら自分が納得いくまで何度でも色や線をかきなおすことができる。モンキー・パンチさんはパソコンの特性をさらにいかした新しい作品づくりを始めている。デジタルコミックと言われるパソコン上で見る漫画。漫画のコマ自身が動いたり、台詞や効果音ものせられる。将来はインターネットを使って読者と登場人物が対話できるような作品も手掛けたいと考えている。情報を伝える道具から感性を伝える道具へ。パソコンは人間性に溢れた存在になるべきだとジョブズさんは考えている。ジョブズさんはコンピュータ業界は数字を計算したり、仕事の文書を書く人の話しか聞こうとしなかったが、いまは様々なデジタル機器が登場して、感情を伝え合うパソコンの新しい側面い光が当たるようになってきたとした。