英国では来月4日に総選挙が行われる予定で、最新の世論調査の支持率で最大野党の労働党が与党の保守党を大きくリードし14年ぶりの政権交代が現実味を帯びている。4日の討論会では保守党のスナク首相が「就任後にインフレ率を下げた」とアピールした。一方、労働党のスターマー党首は「増税の対象は富裕層やエネルギー企業などに限る」と説明した。また不法入国者をアフリカのルワンダに強制的に移送する政策について、スナク首相は「総選挙後に最初の便が出発する」として「私が首相のままなら飛行機は離陸し、抑止力となるだろう。あなたはどうするつもりか」と問いかけた。これに対しスターマー党首は「私はかつて検察官として国境を越えて活動する犯罪組織を取り締まっていた。こうした組織の撲滅は可能だ」と述べ、予算を密航業者の摘発に振り向ける考えを示した。大手調査会社の世論調査に基づく議席予測では、議会下院の650議席のうち労働党が422議席と前回2019年の総選挙で獲得した202議席の倍以上に勢力を伸ばし、単独過半数を獲得すると分析している。