ウクライナのろう者劇団「レインボー」。ウクライナ伝統のコサックダンスを取り入れた演目や、手話歌など耳の聞こえに関わらず楽しめる演出が特徴。1969年に創設されたレインボーは観客の心を彩りたいという思いから付けられた。ウクライナの国内外で活動してきた。3年前から続くロシアによる軍事侵攻。ウクライナでは断続的に警報がなり響いていて、音は危険を察知するのに重要な情報。ろう者は認識が難しく戸惑うことも少なくない。シェプトゥネンコ・イーホルさんは16年前からコメディアンとして活動している。目で見て笑えるコメディの力で楽しさを共有できる場を作ってきた。しかし、軍事侵攻で多くの人が犠牲となり、コメディアンとしての活動に戸惑うようになった。軍事侵攻がはじまってから5ヵ月後、自宅が空爆で破壊された。イーホルさんは被害の深刻さを伝えようとインターネットで発信した。すると支援金ととともに、多くの応援メッセージが集まった。自分たちは世界とつながっていると感じたイーホルさんは戦時下の今だからこそ誰もが一緒に楽しめるコメディで気持ちを分かち合うことが必要だと感じた。イーホルさんは今回の日本講演でさらに多くの人にウクライナのことを知ってもらいたいと思っていた。会場にはろう者を中心に約300人が集まった。