受験シーズンを迎えているが高校の進学を目指して県外への引っ越しを決めた家族がいる。なぜ引っ越すことになったのか、そしてその背景は何なのかある家族の高校受験を追った。千葉市に住む16歳の女性はレット症候群という難病で、重度の知的障害と身体障害がある。歩くことはできるが手はうまく使うことができず話すことは困難だという。この日、彼女の家族は十数年暮らしてきた千葉市の自宅から都内に引っ越す準備を進めていた。千葉を離れる理由は彼女の高校受験だ。本人の強い希望で高校への進学を目指し去年、千葉県内の県立高校を2次募集などを含めて3回受験。志願者数が定員を下回る学校もあったがいずれも不合格だった。家族は入学の許可を求めたが認められず重度の障害がある人も広く受け入れている都立高校に出願するため引っ越すことにした。小中学校では通常学級で学び、一緒に授業を受け、運動会などの行事にも参加してきた。学校生活の中で親友もできた。卒業後も交流は続いていて今回の受験に合わせて思い出の写真をつなげた手作りのお守りももらった。こうした経験から家族は今後も同じような環境でという思いを強めてきた。そして家族で住民票も移して迎えた受験当日、かばんには親友からもらったお守りがあった。介助者とともに試験に挑み、10日後に無事合格。ついに高校生になるという希望をかなえることができた。