西村まこさんはかつて関東最大の指定暴力団に所属し懲役も経験した。女ヤクザとしての過去をもち、今はもと同じ受刑者の厚生支援に力を入れている。岐阜県柳ケ瀬に、築40年以上のマンションのロアビルが。マンション一階にある共有スペースに元女ヤクザの西村さんの姿が。住人たちと一緒に繁華街に向かうと街の清掃ボランティアをし地元でも知られた存在に。参加する人の多くが西村と同じ元受刑者。1966年に名古屋市内で育った西村さんは父親は愛知県庁の幹部職員。親戚には東京大学出身の裁判官もいるなど、彼女いわく、厳格な家庭で育った。しかし、中学2年生の時に仲良くしていた友達の家に遊びに行った時のこと。勉強もしなくても怒られない様子にいいなと感じそのまま悪くなりたいと非行に走った。2度にわたる少年院を経て20歳にして関東最大の指定暴力団住吉会系の組員に。薬物や拳銃の売買にも携わるなどの極道の道を歩んだ。入って早々に別の組員がおかした失態の落とし前もとらされた。
その後、傷害罪で執行猶予中に薬物の所持で逮捕され2年半服役。出所の日になり、西村さんは仮釈放をもらうには組の脱退届が必要だと言われたという。しかし暴力団脱退後も突然の発作に見舞われ救急搬送されたが、出所した元プロボクサーの男を預かってほしいと頼まれ自宅で世話をしていたが生活態度を戒めをしたことで暴行をうけて瀕死状態になった。以来重い後遺症に悩まされるように。出家して仏門に入ろうかと悩んでいた矢先に、竹垣悟さんにであった。かつて山口組の4代目組長の側近を務めたが引退後は犯罪者らの厚生支援を行うNPO団体五仁會を設立。その実績から数々の表彰を受けるまでになった。竹垣はあるテレビ番組での共演をきっかけに去年彼女を五仁會の岐阜市局長広報部長に任命した。ロアビルには元暴力団組員や元受刑者など事情を抱えた住人が社会復帰を目指し生活している。ロアビル住人のサナダさんは組の命令で現金輸送社の襲撃や殺人などし、刑務所生活は37年間。出所したが帰る場所はない。しかし時に住人たちは突拍子もない騒動を巻き起こす。元受刑者のユウジさんはトラブルになった元薬物中毒の知人が部屋から本人をおびき出すために中から爆発音がしたと嘘の通報をした。部屋には誰もおらず知人もいなかったという。翌日に西村さんは管理人とともにユウジさんと安否確認へ。その姿はなかった。
その1週間後、ユウジがロアビルに帰ってきたとの連絡が入ってきた。元暴力団員で薬物事件で3回服役を繰り返してきた。過去の縁を断ち切るために会に加わったばかりだった。