シンガポールで開催中のアジア安全保障会議について、現地からリポート。各国の防衛担当の閣僚らが一堂に会する場ということもあり、会場ではあちこちで当局者が会談の調整などを行っている様子がうかがえる。会議2日目となったきょう、米国のオースティン国防長官が演説を行い、南シナ海の領有権問題で対立するフィリピンに圧力を強める中国を念頭に「フィリピンが直面している嫌がらせは危険だ」と批判したうえで「誤解や誤算を避けるためには対話に代わるものはない」と述べ、対話の重要性も強調した。一方、フィリピンのマルコス大統領は、中国の妨害行為で自国民に死者が出るようなことがあれば同盟国・米国とともに軍事的な対応を取る可能性を示唆。これに中国側が反論するなど、会議は対話だけではなく各国の応酬の場ともなっている。