2024年11月18日放送 10:05 - 10:55 NHK総合

キャッチ!世界のトップニュース
旧ソビエト諸国 ロシア

出演者
望月麻美 高橋彩 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
飢餓や気候変動対策が焦点

G20が、南米のブラジルで始まる。超富裕層への課税制度が議題の一つだが、先進国の中でも意見が分かれアメリカは反対、スペインは支持している。ブラジル・ルーラ大統領は飢餓、世界機関の近代化、気候変動危機という3つの議題をG20の議論の中心に据えている。しかし、アメリカの大統領選挙でのトランプ氏の勝利、ウクライナと中東における戦争によってこのサミットの目標実現が揺らいでいる。厳重な警備態勢の中、リオデジャネイロは世界の経済大国の首脳たちを迎えている。バイデン大統領にとっては最後、そしてアルゼンチン・ミレイ大統領にとっては初めての参加。経済の自由至上主義を掲げるミレイ大統領は、トランプ氏の勝利に大喜びしている。習近平国家主席は出席、プーチン大統領は欠席。開幕を前にリオデジャネイロでは、飢えと気候変動への対策を求める抗議デモが行われた。

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新エネルギー長官に”気候変動否定派”

気候変動対策に後ろ向きとされるトランプ次期大統領は、新政権のエネルギー長官に、石油や天然ガスの採掘を手がける会社のCEOのクリス・ライト氏を起用すると明らかにした。アメリカは、二酸化炭素など温室効果ガスの世界第2位の排出国だが、就任すればバイデン政権の気候変動の政策を転換し、トランプ氏が訴えてきた化石燃料の増産などに取り組むとみられる。ライト氏はトランプ氏が新設し、ノースダコタ州のバーガム知事が議長となる国家エネルギー会議のメンバーにも加わる。規制緩和と連邦政府所有地での採掘許可拡大がこの会議の焦点。政権移行はスピーディーに進められているが、運輸長官、商務長官財務長官などさらなる指名が残っている。

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米中 ”競争を衝突に発展させない”

米国・バイデン大統領と中国・習近平国家主席が南米のペルーで首脳会談を行った。両首脳はトランプ次期政権の発足を前に双方が対話を維持する重要性を強調した。しかし、トランプ氏が新政権に対中強硬派を起用する人事を相次いで発表していることから関係悪化への懸念が強まっている。選挙運動中、トランプ氏は中国からの輸入品に60%の関税をかけるなどと主張していた。中国は近年、これまでの米国主導の世界秩序に変わる体制作りのためグローバルサウスとの関係強化や安全保障上の利益の確保を行ってきた。今回の会談で習主席は台湾問題への介入は越えてはならない一線であり、挑発的な行動に出ないようにとくぎを刺した。しかし、トランプ氏が外交国防分野の高官ポストに強硬派の任命を進めているだけに習主席の思惑どおりにいくかは疑問。両国首脳はこれからブラジルで開催されるG20会議に出席の予定。会議では社会的な共生、国際的改革、持続可能な開発が議題となる。

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マスク氏起用 トランプ氏と連携続くか?

トランプ次期政権の閣僚人事が進んでいるが実業家のイーロン・マスク氏が今後4年間に果たす役割に大きな注目が集まっている。マスク氏は大統領選挙以来、次期政権との関わりやトランプ氏への強力な影響力によりさらに資産を増やしている。世界で最強の2人による政治的パートナーシップ。実業家のマスク氏は次期ファーストファミリーと行動をともにしている。「フォーブス」誌は選挙のあとマスク氏の純資産がおよそ800億ドル増加したとみている。トランプ氏は政府の効率化のための改革を提言する組織のトップにマスク氏を起用するとしている。マスク氏は「連邦予算を2兆ドル削減できる」と述べている。アナリストは懐疑的にみており、懸念が浮上している。マスク氏はテスラや旧ツイッターのX、スターリンク、スペースXなどさまざまな事業を手がけており、すでに政府と何十億ドルもの契約を結んでいる。2人の緊密な関係にワシントンは神経質になっている。この最強の2人の連携が長続きするのか懐疑的な見方もある。2人の関係はトランプ氏が公約としている外国製品への法関税をめぐり行き詰まると見る動きもある。しかし今のところありえないような2人の連携は勢いよく前に進んでいる。

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新たな防衛協力の枠組み設置へ

日本と米国、オーストラリアの3か国の防衛相会談が行われた。中国が南太平洋や南シナ海などで軍事活動を活発化させていることに深刻な懸念を示すとともに、自衛隊と両国の軍隊があらゆる事態で連携できるよう新たな防衛協力の枠組みを設けることで一致した。トランプ政権の発足を前に中国は貿易戦争の可能性に身構えているが、オーストラリアは防衛協力への影響に備えようとしている。マールズ国防相はアメリカおよび日本との防衛相会談を行った。自衛隊員がアメリカの海兵隊とともに北部中州に派遣されるなど関係強化がはかられる。毎年乾季にアメリカの海兵隊約2000人が北部準州にローテーション配備されているが、来年から日本の水陸機動団も定期的に演習に参加する。アメリカのオースティン国防長官はオーストラリアを訪問するバイデン政権の最後の高官となると思われるが、トランプ氏が次期国防長官に指名した元軍人でテレビ司会者のピート・ヘグセス氏についてアメリカ・イギリス・オーストラリア3か国の安全保障枠組み「AUKUS」などアメリカのオーストラリアへのコミットメントを守るだろうと述べた。ここ数年、アメリカの軍事的プレゼンスが徐々に拡大してきた。退任前のオースティン氏はアメリカは今後もグローバルな役割を果たし続けると述べたが、次期トランプ政権には不確実要素が伴っている。

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ワールドEYES
揺れる旧ソビエト諸国

ロシアによるウクライナ侵攻は今月24日で2年9か月となるが終わりは見えないまま。それを当事者のように見つめてきた旧ソビエトの国々。ロシアとEU、どちらとの関係を強めていくことが国の安定につながるのか揺れ続けている。きょうは旧ソビエト諸国の行方と欧米の向き合い方について考える。ここからは筑波大学教授・東野さんに話を伺う。旧ソビエト諸国ではロシア離れが進んでいるが、完全にロシアに背を向けている訳では無い。ロシアと戦争しているウクライナでも少数だが親ロシア派の人もいるため一枚岩ではない。ロシアが恐れているのは旧ソ連に民主主義が定着し、ロシアに及んでしまうこと。こうした中、先月、旧ソビエトの構成国の1つ・ジョージアで議会選挙が行われた。

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筑波大学

こうした中、先月、旧ソビエトの構成国の1つ・ジョージアで議会選挙が行われた。ジョージアは人口約370万人の国で、西部・アブハジアや北部・南オセチアにロシア軍が駐留している。2008年にはロシアが南オセチアのロシア系住民を保護するという名目で軍事侵攻した。先月の議会選挙ではロシアに融和的な与党「ジョージアの夢」が54%の得票率で議席も過半数を獲得したと発表された。この選挙を受け野党支持者らは「選挙に不正があった」として大規模なデモを行った。東野さんは「選挙に不正があったというのは、ロシアからの介入が大規模に行われたのではないかということ。たしかに選挙で親ロシア派が勝ちましたが、民意がEU派なのはおそらく明らかで、政権与党「ジョージアの夢」とEU・NATOとの接近を目指す民衆との間で民意との乖離がある状態。東野さんは度々ジョージアを訪問しているそうで「特に首都・トビリシの街角では様々なバリエーションのポスターが貼られているのを目にする。ロシアの力を借りて成り立っていると言われている政権与党・ジョージアの夢だが、それに対してEUに入りたいとか、安心安全な暮らしをしたいとか、そうした国民の対立が膠着状態に陥っていて固定化されてしまっている。この状況はいつ覆るかは分からないが、その場合には偶発的で予測不能な事態が起こると思われる」などと話した。

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ジョージアの親ロシア派の支配地域・アブハジアで15日、数百人の野党支持者が議会などに乱入する事件が起きた。東野さんは「公にはロシアとの投資協定に地元が反対するということで行われ得たと言われているが、それ以外にもアブハジアにおけるリゾート開発をはじめとし、ロシアと地元との利権が対立しているろも言われている。つまりここでもロシアの陰が指摘されている。ただ、反体制派は首脳陣の辞任を要求していると言われているが目、アブハジア政府に対する不満である可能性もある。

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アブハジア(ジョージア)

モルドバはウクライナと国境を接する人口250何人ほどの国。国境沿いの沿ドニエストル地方はロシア軍がいまも駐留するなど、ロシアの強い影響下にある。先月行われたのは大統領選挙とEUへの加盟の是非を問う国民投票。大統領選挙では芯欧米派のサンドゥ大統領が決選投票の末に再戦された。また国民投票はEU加盟に賛成が50.46%、反対が49.54%と賛成が反対を上回ったが差は僅差となった。混乱した結果となったが、最終的にはモルドバでEU思考が強いことが改めて示された結果とも言える。モルドバの市民に親EU思考が強い理由について東田さんは「2022年2月のロシアによるウクライナ侵略により、ヨーロッパの安全保障環境が根本的に変化してしまったことがあると思う。特にモルドバをみてみると、沿ドニエストル地方などのようにロシアの影響下にある地域もあるため、ロシアの分時介入があるのではないかということが度々囁かれてきた。このためモルドバでは現状に対する不安、将来に対する不安が非常に強いと覆う。同時にモルドバでは現状の憲法では中立をうたっている。なのでNATOに加盟することはできない。モルドバとしてはフィンランドやスウェーデンのようにこれまでの中立を破棄してNATOに入ることも考えられているとは言われているが、まだそこの動きにはなっていない。まずはEUに接近して安定性を確保したいというのが強い動機だと思う。ロシアと微妙な距離を保っているのはアルメニア。アルメニアは今年6月にロシアが主導する軍事同盟(CSTO)から脱退する移行を示した。7月にはアメリカと合同軍事演習を行うなど、外廷的にはわかりにくい動きをしている。CSTOはNATOのように集団自衛のような機能がある。アルメニアを見てみると、常に軽躁状態にあるアゼルバイジャンとの衝突の際にロシアから守ってもらうことをずっとアルメニアは期待しているが、これまでではロシアはほとんど傍観している状況。そのためアルメニアはこうした同盟に所属していても守ってもらえないとの結論に達したのだと思う」などと話した。

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東野さんは「モルドバは現在EUにもNATOにも属していないが、NATOに属しているからといって自分たちが守られているという認識はほとんどのヨーロッパの国にはない。例えばエストニアという国は2004年にNATOに加盟し、集団防衛の観点から守られる想定だが、ロシアとの国境がナルバ川を挟んで300メートルほどしか離れていない。なのでロシアが仮にNATO諸国に侵略するとなると一番侵略しやすい国の1つではないかと言われている。そのため私はエストニアに行くたびにエストニアの人々が『私達のところに戦争が来るかも知れない』というヒリヒリした安全保障認識を持っていることを実感する。ロシアが一度侵略してくると人口も少ないため一気に占領されることが十分考えられる。なので政府から一般の人々までエストニアの人々は非常に大きな不安を持っている。ウクライナがロシアから侵略を受けて国土防衛に向けて戦っているが、ヨーロッパの最前線でウクライナがロシアの脅威を受け止めてくれているにすぎない、状況が悪くなるとウクライナを乗り越えて自分たちのところにロシアの影響力が及んでくるかも知れないという思いがある。ドイツのピストリウス国防相は『ロシアは今すぐではないかも知れないが、5~7年後にはNATO加盟国を攻撃できる能力を身につけそうだ』と言っている。ドイツの大臣でもそのような危機感を持っている。(アメリカ・トランプ氏の)第1期目とは違い、今回はトランプ大統領が返り咲くのではないかと言われていた。そのためヨーロッパ諸国はトランプ氏の勝利をある程度想定していたと思う。ただ、それはトランプ氏でなくてもいずれヨーロッパがやらないといけないことという意識もある。特にロシアによるウクライナ侵攻を背景としてそういった意識がトランプ再選との相乗効果で高まっているといえると思う」と話した。

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スイス 山の斜面 再び崩落の危機

2億トン以上の岩石がスイスにある小さい村に向かって崩落する恐れがでている。山の斜面は9月以降1日で最高9センチメートルも崩落が進行。雪崩のように山の斜面が一度に崩落すれば、最高時速100キロメートルの速さで村全体が埋まる可能性がでている。危機管理委員会は前もって避難する必要があるとしている。80人以上の住民が一時的な住まいに移り住んだ。スイス軍が農家の家畜と飼料を運びだしているとのこと。

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”だまされない”を学ぶ授業

AI=人工知能を使うと、人間の声と画像を加工して簡単にニセの動画を作ることができ、家族でもだまされてしまう。専門家は、このディープフェイクから身を守るためには疑うことも重要だと指摘している。ある授業では簡単に信用しないことを教えている。自分の直感を大事にすることで、ビデオゲームで身の守り方を教えるという。批判的思考の授業が必要だという。

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主なニュース

バイデン大統領がウクライナに対し、ロシア領内への攻撃で射程の長いミサイルを使用することを許可したと伝えた。ロシア西部のクルスク州で、越境攻撃を続けているウクライナ軍を防衛するため、ロシアと北朝鮮の部隊に対して使用される見通しだとしている。

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(エンディング)
あすは

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サンタクロースへの道

イギリス・ロンドン市内に集まってきたのは、6人のサンタクロース。“サンタ学校”が本格的にスタートした。この道25年の講師が教える。子どもたちに接する時は優しく魔法のように。イベントなどを盛り上げる“素敵なサンタ”をめざして。

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