米国・バイデン大統領と中国・習近平国家主席が南米のペルーで首脳会談を行った。両首脳はトランプ次期政権の発足を前に双方が対話を維持する重要性を強調した。しかし、トランプ氏が新政権に対中強硬派を起用する人事を相次いで発表していることから関係悪化への懸念が強まっている。選挙運動中、トランプ氏は中国からの輸入品に60%の関税をかけるなどと主張していた。中国は近年、これまでの米国主導の世界秩序に変わる体制作りのためグローバルサウスとの関係強化や安全保障上の利益の確保を行ってきた。今回の会談で習主席は台湾問題への介入は越えてはならない一線であり、挑発的な行動に出ないようにとくぎを刺した。しかし、トランプ氏が外交国防分野の高官ポストに強硬派の任命を進めているだけに習主席の思惑どおりにいくかは疑問。両国首脳はこれからブラジルで開催されるG20会議に出席の予定。会議では社会的な共生、国際的改革、持続可能な開発が議題となる。