東京大学の小泉悠准教授はロシア軍の基地を定点観測している。今注目しているのがロシアのカムチャツカ半島の潜水艦基地で今大規模な拡張が進んでいるという。桟橋が増設され、大型艦を作ることが予想されるという。弾薬庫の周辺でも山を切り拓く大がかりな工事が行われている。小泉さんは最新鋭の原子力潜水艦「ベルゴロド」の配備が近いのではとみておりこれまでにない任務を担うと分析している。そこに搭載されると見られる無人原子力潜水艇「ポセイドン」は核弾頭の搭載も可能。小泉さんが注目するのはこの地区の基地に度々寄港している弾薬輸送艦潜「アカデミック・コワリョフ」。今年は北極海の基 地への航行が2回行われ、位置情報の発信を停止するなど例年にない動きをしている。自衛隊で潜水艦の艦長などを務めた伊藤俊幸元海将は水中で破壊工作を行う恐れがあると指摘した。更に懸念しているのが北朝鮮との連携。原子力潜水艦などの開発を急ぐ北朝鮮が、今月ロシアとの間で有事の軍事的支援などを明記した条約が発効しロシアに原子力潜水艦の技術提供を求めるのではないかという見方が広がっている。伊藤氏は「海上自衛隊にとっては三正面を見ることになり負担が大きい。厳しい安全保障環境の中にいるという認識を持つこと」などと指摘した。