ウクライナ侵攻で欧米などの経済制裁が続くロシアだが今、制裁をものともせず好景気に沸いている。人々の購買意欲も旺盛になっていて高級な日本のグルメも人気となっている。ロシア最大の都市、モスクワで超満員の盛り上がりを見せていたのは去年11月にオープンした高級日本料理店、IKURA。鉢巻きを巻いた料理人がふるまう寿司や創作料理を有名ブランドの日本酒とともに楽しむことができる。この日の目玉はクロマグロの解体ショー。マグロのコース料理は1人前およそ1万9000円。ことしモスクワでは700ものレストランが新たにオープンしたという。その背景にあるのは空前の好景気。ウクライナ侵攻から2年半余り。欧米諸国や日本からの経済制裁は続いているが景気は落ち込むどころかむしろ盛り上がっているという。その成長をもたらしたのはウクライナ侵攻後、フル稼働を続ける軍需産業。さらに、スターバックスやマクドナルドなど欧米企業が撤退した店を活用しロシア企業が相次いで参入。その結果、雇用が拡大し賃金も上昇。人々の消費欲が高まっている。プーチン大統領は先週、ロシアの経済発展を強気でアピール。直近のGDP・国内総生産は前年比プラス4%。これはどの先進国をもしのぐ数字となっている。ロシア・ウラジオストクの映像。消費欲が注がれている一つが日本のグルメ。本格的なラーメンが食べられる店では1杯およそ1200円とモスクワの平均ランチ代のおよそ2倍だが売り上げは好調。オーナーはロシア人で、ことし新しい日本食レストランも開店する予定だという。経済制裁が生んだ好景気。その恩恵は自動車販売店「Rolf」でも。店内には周辺国を経由し非正規ルートで仕入れたという日本の高級車がずらり。購入した車を引き取りにきた女性はここ3年で収入がアップしたため車の買い替えを決めた。新車価格はおよそ1500万円。価格は以前より6割ほど高くなったというが高くても日本車に乗りたいという顧客はいるという。経済制裁の裏で高まる人々の消費欲。一方、過度な物価上昇や人手不足も深刻化していて、戦時下の中、好景気がいつまで続くのか国内では懸念の声も上がっている。