“EUの異端児”とも言われるハンガリー・オルバン首相がウクライナに続きロシアを訪問した。一連の訪問を自ら“平和ミッション”と呼び、ウクライナとロシアとの和平交渉に向け積極的な姿勢をアピール。しかしゼレンスキー大統領や欧米は警戒を強めている。ロシアは和平交渉の条件として、ロシアが併合を宣言した4州からのウクライナ軍撤退などを条件に挙げており、オルバン首相がこれに配慮してウクライナに領土奪還を断念するよう迫るのではないかとみられている。また米国のワシントン・ポストは「トランプ氏はクリミアとドンバスの国境地域をロシアに割譲するようウクライナに圧力をかけることで戦争を終わらせる計画だ」と報じている他、ポリティコも「トランプ氏がウクライナのNATO非加盟を約束した上で、ロシアがウクライナの領土をどの程度保持するかプーチン大統領と交渉することを検討している」と報じた。オルバン首相はトランプ氏の当選を望んでおり、トランプ氏と協力して欧米の対ウクライナ政策を軍事支援から和平交渉へかじを切りたい狙いがあるとみられている。これに対し、EUのファンデアライエン委員長は「融和政策ではプーチン大統領を止められない」と話し、NATO加盟国は来週の首脳会議でウクライナのさらなる軍事支援に合意する見通しだという。